家庭内アンサンブル推進委員会
ケーナ製作の長い経験があるわけではありません。最近ようやく失敗が少なくなり、竹材を無駄にすることがなくなってきました。ケーナの作り方のほとんどが、ネットで教えていただいたものです。HPや、掲示板でもアドバイスは本当にありがたいものでした。

これからケーナ作りを始められる方の少しでも役にたてば、恩返しになるでしょうか。、自分で分からなかったことを重点的にまとめてみました。間違いがありましたら教えてくください。また、私で分かることでしたら、掲示板で質問してみてください。また、日本には、ケーナ作りの関して世界一親切なHPがあります「とよのくに竹材」さんです。ここでならすべての疑問は解けると思います。
竹材の加工(ちば竹さんからいただいた竹材です)
ケーナ作りで一番大変なのは、材料探しです。以前はホームセンターで竹を買っていましたがいいものはありませんでした。ケーナのできの60%は材料のような気がします。今は「とよのくに竹材」さんで油抜きをして、乾燥してある竹を売っていますので簡単です。
さあ、この竹をケーナにしましょう。この竹は軽くて、表面にきれいな斑点模様が入っています。軽いさわやかな音が出そうですが、問題がひとつ。節の部分のテーパーがきつすぎて、節の部分を管尻にするとオクターブの音が大きくずれそうです。
そこで、管尻は木で栓をしてる作ることにしました。切り口が荒れているため、切り口から数ミリの部分で切り離します。
・マスキングテープを巻きます。三回巻くとほどよい厚みになり、のこぎりのガイドになってくれます。また、竹の皮がはがれるのをとめることができます。

・最初に一周ぐるりとのこぎりで薄く挽き、皮を切ってから切り落とします。


次に切った側から365mmのところを鉛筆でマークし、同じように切り落とします。
・切り落とした後はヤスリをかけて平らにします。
・ノギスで外形、内径のデーターをとっておきます。
・棒付きヤスリで内径を大雑把に整えます。今回は内径を直管に調整しました。
・仕上げ用のがり坊で内側をきれいにします。
・今回は使いませんでしたが、内側のテーパーを意識して加工するときは、棒付き砥石で加工します。
・最後は、木の棒にヤスリを巻きつけ滑らかにします。
実はケーナ製作の一番重要な工程はここではないかと疑っています。尺八は漆とトノコで管の内側を塗り、それを削ることで図面通りの内径を確保します。この図面を公開しているすばらしいHPがあります。「尺八の作り方HP」。歌口からだんだん狭くなり、歌口部分の20%ほどの内径になります。最後は10%ほど広がります。篠笛も名人と呼ばれる方は、独自の工具で内径を調節しています。ところがケーナはほとんど竹のもつテーパーをそのまま生かしています。これがケーナ作りは難しいと言われる由縁ではないでしょうか。

篠笛作りの名人の方が書いたものを読むと、この世の中には、オクターブがきっちり合う内径の竹は一本もない。だから人間が削って合わせてやらなければならない。と書いてありました。


ほとんどの竹は、薄すぎるか厚すぎるようです。ガリ棒は、一般に売っているものではありませんので、棒の先に荒い紙やすりを貼り付けてみたらいかがでしょう。
蓋は2mmの木の棒を加工します
・棒の先端を5mm残してマスキングテープを巻き、出ている部分を三角やすりと同じ角度で削ります。
・三角やすりで管尻に2mmの内径の穴を削ります。
・管側の削った部分に鉛筆で色を塗ります。
・そこに先ほど削った棒をグリグリ回し入れ、色の付いた部分をヤスリで削り落として行くと、全体にまんべんなく鉛筆の色が付くようになります。これで、管のテーパーと棒のテーパーが一致したことになります。
棒と管の内径に木工用ボンドを塗り、軽く回し入れます。このとき少しでもやりすぎると、管にヒビが入ってしまいます。

・1時間ほどで、管尻にそって切り離し、ヤスリをかけると、すきまなく蓋がはまった状態になります。
・これで基本的な構造は出来上がりました。

・スクレイバーを使い、竹の皮を剥きます。ナイフの背でも剥けますが、時間がかかりますし、途中で指が痛くなります。今回は、模様を生かすために薄く剥いでいますが、普通の竹の場合は表面を完全に削りとります。
皮を剥ぐと、いままで隠れていた斑点が浮き上がってきます。
・ここで荒い紙やすりをかけると、ひとこすりで斑点は取れてしまいます。そこで、柔らかい材質の仕上げ用やすりで優しく磨きます。


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