家庭内アンサンブル推進委員会
竹から楽器へ 楽器から工芸品へ
工芸品というのは言い過ぎですね。材料となる竹をどう生かすかというのがケーナ作りの醍醐味のひとつです。管尻の処理、巻き紐の種類・巻く場所、表面の処理、焼き焦がしの場所。なにを選ぶかでケーナは表情を変えます。大切な楽器ですから少しでも美しく作りたいですね。
仕上げ作業
・歌口に木工用ボンドを薄くのばしたものを染み込ませます。固まってから600番の紙やすりで、熱が出るようなスピードで磨きます。断面がピカピカになります。歌口の切っ先は鋭敏にせずに、仕上げ用のヤスリですこし丸く殺します。このほうが高音が出やすくなります。(河辺晃吉さんに教わりました)。

・管尻は、住友3M製のスポンジやすりで押し付けるように磨きます。荒いものから、仕上げ用まで3種類あります。これを使うと、管尻のエッジがちょうどいい具合に丸まって、ピカピカ輝いてきもちがいいですよ。
歌口もスポンジやすりで優しい丸みがでるまで磨きます。
・ヤスリで焼け焦げなかった部分を、半田で焼きます。これで、穴の断面から湿気が入るのを防ぐことができるそうです。焼いたあとは、600番の紙やすりで断面をツルツルに磨きます。
・紐の巻き方は、最初に投げ縄のような丸を作り、それを抑えるように巻いてゆきます。最後にその丸に紐の端を通して下に引っ張ると、固定されます。(RenさんのHPで勉強しました)

・あまった紐はナイフで切ります。

・紐には手芸店で買った、ネックレス用の留め金を付けてあります。これに携帯電話用のぶら下げるアクセサリーを付けます。これが、便利なんです。

・焼き鏝で千鳥の印をいれます。これは、私のケーナのトレードマークです。
・最後に仕上げのワックスを塗ります。竹の肌の優しさが好きなので、ニスなどは塗らずに、ワックスにしています。今は、ドイツ製のフローリングワックスシートがお気に入り。カルナバ蝋や亜麻仁油、ダンマル樹脂などの天然素材だけで作られています。べたべたしないし、竹の模様がきれいに浮き上がって見えます。
出来上がりは一番下に写真を載せました
・今回は大成功。音程もばっちり、音域も広く、高音もいい音でした。製作時間は、朝から夜中までかかっています。

竹に穴を開けただけの楽器ですから、作ろうと思えば1時間もかからずにできます。でも、ピアノと合わせることのできるようにするのはたいへんです。図面通りに作れないというのが、ケーナ作りの楽しさですね。

まだ、作ったことのない方もぜひいちど試してみてください。想像するより簡単にできますし、やり始めると終わりがないくらい奥深いですよ。


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