家庭内アンサンブル推進委員会
ケーナの工作に、専用の工具はありません。高額な専用工具を買わなくてすむのはよいのですが、最適な工具にめぐり合うまで、試行錯誤が必要です。ドリルやのこぎりのような基本的なものでも、うまく使えるものを教わるまでは、不適切なものをたくさん買い無駄にしました。

今の道具は、かなり満足できるものがそろってきました。出来る限りメーカーや型番を記載するようにしています。ホームセンターで探してみてください。
竹を切る
のこぎりは、 OLFA CRAFT SAW 1200円
竹専用ののこぎりよりも、目が細かくて薄いため、小さな加工ができます。歌口の最初のとっかかりを削るのも、こののこぎりで大丈夫です。
切り口を滑らかにするのは、 NT DRESSER L-30P
この研磨道具のシリーズは本当にお勧めです。きれいになりますし、いくら使っても、磨耗しないので経済的です。金属のヤスリはたくさんありますが、木工で繊細なものはあまりありませんでした。残念なのは、たくさんの種類があるのに、ホームセンターで売っているのは数種類だけです。
 
皮を剥ぐ
左 スクレイバー ホームセンターで180円で売っていました。これが一番のお気に入りです。スルスルと簡単に竹の皮が向けます。
中 それまで使っていた小刀 刃の裏側を80度に砥いで使っていました。もちずらいので一本剥くと指の皮も一緒に剥けました。
右  OLFA CRAFT KNIFE-L 400円 ちば竹さん神竹さんご推薦のナイフ。スクレイバーよりも、細かく繊細な竹の筋ができます。

こんな感じで、一直線にスルスルと剥けてゆきます。スクレイバーがすべてうまく剥けるわけではなく、先端部分の刃の付けかたによっては、竹に食い込んでしまいうまく剥けないものもありました。

写真のものでしたら、お勧めできます。メーカーなどは分からないので、形を覚えておいてください。
測定する
自作の内径測定器
心中の板を二枚重ねて、真ん中をねじでとめただけのものです。ケーナは尻が閉じているの、内径を測定することができません。これでしたら、どの部分でも簡単に測ることができます。
中でひらいたのと同じ幅で反対側もひらくので、その部分に定規のきれっぱしと、針金を使いメモリをつけました。正確な測定は無理でも、大体の傾向はつかめます。
内径を削る
ケーナ製作では内径の加工についてはどなたも試されていないようでした。もちろん加工の方法についてはなんのヒントもありません。竹の内径を加工するには、尺八用のヤスリしかありませんでした。ところが、ヤスリですと数ミリ削るだけで何時間もかかります。しかも、狙ったところ以外もどんどん削れてしまいます。そこで、内径切削用カンナを自分で作りました。
・上の左から、荒削り用、普通、仕上げ用 となっています。力を入れてもしならないように軸は鉄製です。
写真のように、皮を剥くようにスルスル削れます。刃の部分は鉄鋼を削り出し。ヤスリで研ぎました。鉄の棒の先端に穴を開け、タップでねじ切りします。そこに鉄鋼のチップをねじ込み固定します。
竹は曲がっているので、長いドリルは管尻に届きません。そこで、刃の部分が小さい電動ドリル用のアングルビッド(800円程度)を使っています。エキスパンジョンロッド1000〜2400円)に取り付け、ハンドドリルで送り込みます。竹の曲がりに応じて行く先を変えてくれます。
節を抜いたり、パテを盛った内径を整えることもできます。
内径を磨く
右から 仕上げ用紙やすり棒 仕上げ用ガリ棒 荒磨きやすり棒。
紙やすりは粘着テープで止めてあるだけです。ガリ棒は尺八用。ヤスリ棒はDRESSERをステンレスの棒にねじ留めしてあります。
管尻のふた
管尻の穴は、コルク方式と、木製と二通りです。コルクはコルク栓をホームセンターで売っていましたのでそれを使います。どちらも、台形に削って密着度を高めますので、回転やすりを使います。
穴を開ける
ボール盤 居間でも工作できるように、掃除機直結方式です。掃除機はミクロの埃も逃さない、ダイソン社製です。当初ハンドドリルを使っていましたが、ボール盤を使うと穴のクオリティーが違いました。小さいボール盤を探すのに苦労しました。この大きさをハンズで見つけたときは、小躍りしました。掃除機を付けるアダプターは自作です。

ドリル スターエム 先三角ショートビット。これでないと穴を開けたくないくらい気に入っています。鉄鋼用であけると竹が割れる可能性が大きいし、穴がきれいにあきません。鉄鋼用はセットで非常に安く売っていて魅力的ですが、結局無駄になると思います。一本400円から600円程度ですから、奮発してください。
穴の調整
回転やすりは、どれでも同じではありませんでした。ケーナの大きいほうの穴を削るのは左から三番目、小さい穴を削るのは一番右のヤスリです。これ以外にも、たくさんのヤスリを買いましたが、どれも指穴をおかしな形に削ってしまい、まったく使えませんでした。

回転ヤスリで削った後は、鉄鋼用のヤスリで整えます。
縦用ボール盤
木のフレームにボール盤をルトで固定し、縦穴も開けられるようにしたもの。内径の加工や、溝きりなどに使います。

左 ジョイント式ケーナの内径を削る
右 穴の位置をずれないようにあける。
管尻にふたを作るときにも活躍します

左 管尻にヤスリでテーパーをかけます。
右 栓の丸棒に管尻と同じ角度でテーパーを付けます。
左 管尻と栓をすり合わせて隙間を完全に無くします
右 接着してから、のこぎりで切り取ります
木と竹が完全に一体化します
ケーナ製作屋外セット
家の中でのケーナ作りは、部屋中を木の粉だらけにし私生活のQOLを低下させます。
暖かくなったら、そとでケーナを作りましょう。壊れた工作台2台をリサイクル。ご近所さんにも、何をしているのか一目でわかります。気の弱い方にはお勧めできません。


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