ロングトーンの練習に、参考になる情報です。

オカリナのメールマガジンで、とても驚いた演奏法を教えていただきました。たくさんの方に知ってもらいてくて、転載の許可をいただきました。

◆良い子のじっけん◆

1.口を大きく「お」の形にしてほっぺをピンとはじいて下さい。
  音は出ましたか?
2.口の大きさを変えて下さい
  音程は変わりましたか?
3.口と同時に喉も広げてみてください。
  音程は更にどの様に変わりましたか?
4.3でやった様にしながら肺も広げてください。
  もう解ったでしょう

貴方の体は共鳴できる容積に変化させる事は可能であるのです。
 貴方の体はバイオリンやギターと違い
その共鳴、共振する体積を自由に変化させることが出来るすばらしい容器であると言うことなのです
.
(※1)


このように口腔内の固有振動を楽器の音程にあわせれば、より倍音成分を大きくできるそうです。このコラムでも、呼吸器の共鳴は大切であることを書きましたが、呼吸器の容積でそれを変化させるというのはさらに進んだ考えです。

このHPはオカリナの演奏に関してのものです。でも、意識はしていませんでしたが、ケーナでも同じようなことをしています。同じ音程の音でも違う音をイメージするときは、のどの開けかたを変えています。これは、たぶん共鳴の仕方を変えることで、音質を変えていたんですね。

この実験のように、ほっぺたが痛くなるくらいいろいろとたたいてみました。

まず、共鳴する周波数は、本当に単純に口腔内の容積だけでは決まりませんでした。あごを上げのどを開くと、肺の容積も共鳴の要素に入り、音はぐっと下がりました。

短い管の奥にある空間が振動するのを、ヘルムホルツ共鳴といいます。(図1)歌口の振動は、口腔の容積により、唇で作られた細い管の中で共鳴します。そして、口腔内の振動は、肺の容積を使い気管支で共鳴振動を起こします。このように、体の中では二段階でヘルムホルツ共鳴が行われていたのです。

楽器の音には、こんなに複雑な要素が組み合わさったいるのですね。同じ楽器でも、奏者によりまったく違う音がでるはずです。

レッスンで教わる音には、イメージのみの言葉がたくさんあります。「のどを開けて」とか、「のどから管の先まで一本のクダのようなイメージで」、「息を吸うときは肺の裏側から」「息がマウスピースを突き抜けてゆくように」「体全体が震えるように、おなかで音をささえて・・・・」こういった表現では、初心者の人だけでなくベテランでもどうしたらよいかわかりずらいですね。

すべてのことに、このような具体的な説明と、その意味を教えてもらえれば、もっと早く上達したのになあ・・、とヘタクソを代表して思いました。



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(図1)ヘルムホルツ共鳴

箱の中の空気の容積により、クダから空気を入れれば押し出そうとし、抜こうとすると引き戻そうとする、ばねのような性質を持ちます。オレンジ色の空気の質量を、部屋の中の空気バネが振動させます。この時に、容積により、振動のしやすさが変わります。これがヘルムホルツ共鳴の原理です。

ケーナの設計と同じで、結局は補正値で修正するので、計算で求めるというよりは、実験により決定される部分が大きいようです。
c:音速 L1:管体長 W:体積 S:管断面積 Lc:管体補正値 
参照:西津貴久のWebサイト
(※1)フルート・オカリーナ館
プロ奏者の小川堅二さんのサイト。メインはオカリナ演奏に関して。こちらのメールマガジンは必読です。ケーナ奏者もぜひ登録してみてください。
小川さんから、より詳しい解説をメールでいただきました

具体的に言うと、
口笛を吹く時の様に人の身体には便利なメカニズムが働き,記憶の中なら倍音列を含んだ共鳴又は近い状態を寸時に再現し、耳と脳と関係筋肉を結んだフィードバック回路が気に成らないぐらい短い時間で修正するのです。

(このフィードバック回路で修正されるのはこれだけでは有りません)
これが演奏に係わる「音感」と簡単に言われる部分なのでしょうが、口笛と同じ様に誰もが簡単に実現可能な事なのです。