クラリネットやサックスなどのリード楽器は、リードが振動して音を出します。トランペットなどの金管楽器は唇が振動して音を出します。では、フルートや尺八そしてケーナなどのエアリード楽器はどのような仕組みで音を出すのでしょう。

一般的にフルート・尺八・ケーナなどの楽器の発音原理は下記のように言われています。

口から出た空気は、歌口にあたることで圧力が上がります。気体や液体は、流れの途中に障害物があるとその後に連続した渦巻きを作るという性質があります。これをカルマン渦と読んでいますが、これがエアリード管楽器の振動の原因です。

と、楽器の解説などによく書かれています。でも、これだけの説明ではどうしてもケーナの振動をイメージすることができませんでした。

カルマン渦を、レイノルズ数で考えてみましょう。
 
レイノルズ数(Re)とは Re=UL/(μ/P)で表されます。(U速さ L長さ μ流体粘度 P流体密度)
速く、長く、粘度が高くて、密度が低いものほど高くなります。レイノルズ数が小さいと、流れは層流と呼ばれるきれいな流れを作ります。ところがレイノルズ数が閾値を越えると、乱流になってしまいます。

レイノルズ数が40から150のうちは速度に比例して、それ以上でも近似的に渦の数を増やします。それならば、息のスピードを上げると、音程は無段階にどんどん高くなってゆくはずです。

ところが、実際は管の長さが一定ならいくら息を速くいれても同じ音程の音しか出ません。音程が上がる場合は一気に1オクターブ以上の跳躍をします。不思議に思っていましたが、これを疑問を解決してくれる文献がありました。(次に続く)







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私は音響の専門家ではありません。発音についての解釈は管楽器奏者としての感覚とお考えください。間違っているところがありましたら、教えていただければ幸いです。
カルマン渦・・・?