唇や口腔内の形、顎の位置、のどの太さなど、楽器に息が入る前の状態をアンブッシャー・(アンブシャー・アンブシュアなど言い方はいろいろ)といいます。

アンブッシャー・は管楽器奏者の永遠のテーマではないでしょうか。音が悪いのは、楽器のせいか、アンブシャーのせいなのですから、楽器に問題がなければ、悪い音の責任はすべてここにあるのです。

一般的に管楽器は、唇の薄い方のほうがお得なような気がします。微妙な息のコントロールには繊細な薄い唇がよく、高音も簡単に出せますね。

私は分厚い唇なので、薄い人が羨ましくてしかたありませんでした。でも、何年もやっていればなんとかなるもので、最近はなにも思わなくなりました。

さて、ケーナの唇の形ですが、どの教則本を見ても書いてあるのが。=唇の力を抜き、両端を軽くひく=  でしょう。
実際、私もその方法で吹いています。

ケーナの教則本に書いてあることは、唇も呼吸法も、フルートの教則本に書いてあることと、ほとんど同じです。西洋楽器の長い歴史のなかで、息を最も効率的に使うために、このようになったのでしょう。

でも、最近のフルートはこの唇を引っ張る方式は、雑音が出やすいので違うのではないかという流れがあるようです。日本人は西洋人に比べて唇が厚いので、必要以上にひっぱってしまうのが原因だそうです。

そこで出てきたのが、唇を前に出す方式です。これは、絶対にしてはだめといわれていたものですから、これで吹くには少し抵抗があります。

とんがらせるのは行き過ぎで、机の上の消しゴムを吹き飛ばすような形だそうです。やって見るとたしかによい音で吹けるようです。

絶対の原則だと思っていたものが、時代が違うと変わってしまうものです。信じられるのは自分の感性だけですね。
return home