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ロングトーンって? |
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ロングトーンは、同じ音を長く伸ばす練習です。どんな管楽器の先生についても、練習の前には、必ずロングトーンをするように言われるはずです。つまらない練習のようですが、必須練習。
ケーナはおおらかな民族楽器です。でも、民族楽器だからといって、基礎練習をしなくて上手くなるものではありません。楽しい曲が吹きたいならば、一瞬遠回りをすることが結局は近道だと思います。
メロディーを吹く前に、5分程度はひたすた音を伸ばす練習がいいですよ。すぐには効果はでませんが、数年後には大きな差になって現れます。
-Point-
練習の最初はロングトーンから
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方法 |
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最初に気を付けるのは
・同じ音量で最初から最後まで吹く
・唇の力を抜く
・自分の音をよく聞く→一番よい音になるように音を変化させる
ロングトーンの目的は
・管楽器の呼吸を身に付ける
・音を良くする
これができたら
・チューナーを見ながら吹いて音程を意識する
・ヴィブラートをかけて美しい響きを作る(音を揺らす)
・クレシェンド・デクレシェンドする(音をだんだん大きくしたり、小さくしたり)
・音色を変える
呼吸法で詳しくお伝えしますが、ロングトーンの間に腹式呼吸を意識して固めましょう。コツは、たくさん息を吸うことです。上達すると自然に横隔膜を使った呼吸が出来るようになります。初心者の方はイメージがわかないと思いますので、最初は不自然なほどに息をたくさん吸うことで、いやでも横隔膜を使う癖が付きます。
-Point-
唇と体の力を抜く
自分の音を真剣に聞く
最初のうちは息をたくさん吸うクセをつける
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音色を作る |
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ロングトーンは呼吸と唇の調整だけではなく、音色を作る練習にもなっています。
楽器が上手い、というと多くの方は高い音が出る、指が早く動くことだと思っています。たしかに大切な要素ですが、それほど大切なことではありません。これらの技術は、ひとを関心させても、感動はさせません。
「熊蜂の飛行」、「子犬のワルツ」を完璧に吹いても誰も感動しない、「月の砂漠」、「ふるさと」をすばらしい音でゆっくり吹くとお客さんを泣かせることができます。
好きな歌手と楽曲を思い出してください。その歌手が好きなのは、早口で歌えるか?高い音が出せるから?違いますよね、魅力的な声をしているからじゃないですか。
-Point-
指の速さの練習よりも、よい音質を作る練習を優先させる
ケーナは、魅力的な音が出せる楽器です。でも、もっと感動的な音楽を作りたいなら、よい音を作る努力が一番効果的です。リコーダーやサックスなどの固定された歌口の楽器より、音を作る幅が広いのがケーナの特徴です。
角度、口の中の広さ、舌の位置、息の圧力、唇の柔らかさ、歌口までの距離、ケーナの角度、アパチュアの高さ、調整する場所はたくさんあります。どこかに、まだ試していない素晴らしい音を作る組み合わせが隠れています。それを探すのが管楽器奏者のロマンなんですね。いいこと言うなオレ。
-Point-
いい音を探すことは管楽器奏者のロマン(注1)
注1:現実にはあり得ないような空想や冒険の要素。夢と幻想に彩られた雰囲気。魅力的で不思議などのもつ事柄を総称してロマンと言う。
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長く吹く |
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息の効率が悪いと、ロングトーンがあっという間に終わってしまいます。フレーズの最後まで圧力が持たないので、ヴィブラートがかからない。おいしい旋律の途中で息継ぎしてだいなしにしてしまう。
ロングトーンの長さは肺活量とは関係ありません。オーケストラには小柄な女性の奏者がたくさんいます。肺が小さいからといってフレーズの途中でブレスはしません。
練習では、ひとつの音をフォルテで10〜20秒続けます。ケーナを長く吹けるというのは、どのくらい効率的に息をつかっているかのバロメーターです。低音では30秒、高音では45秒ロングトーンが続けられればベストでしょう。
-Point-
ロングトーンで。アンブシャアと腹式呼吸のレベルを確認することができる。
ひとつの音を10〜20秒安定して吹き続けましょう。
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