ケーナ製作記録
10/23/05  

本日は、普通の18mmG管です。でも、今回は材料がちと特別です。めんちくさんからいただいた、特製の竹材です。表面は硬く、飴色、見るからによい音がでそう。失敗するのが怖くて、一年近くながめていましたが、勇気を出して加工してみました。

内径の調整には充分時間をかけました。歌口の内径に合わせると、管尻の厚みがかなり薄くなります。木栓を挿入すると割れる可能性があるので、コルクで管尻を作りました。指穴は冒険せずにトラディショナルタイプです。

昨夜は、全閉のラがかなり高くなってしまい、一番下の穴にかなりパテを入れました。ところが、今日は低くなり、パテを全部取りました。作りたてのケーナは生きています。それとも、吹き手のアンブッシャーが変化しているのでしょうか?

ぱっと見ると、ボリビア製ケーナに見えるし、色むらのおかげで高級感があります。チューニングは取り合えず20セント以内に収まりました。ただ、2オクターブのファ♯からがやや高め。G管は18mmよりも17mmのほうが調整は楽なのでしょうか。1mmの内径の違いが、設計もチューニングも大きく変えてしまいます。

よく響く大きい音のでるケーナになりました。屋外で吹いたら最高でしょう。めんちくさんよい素材をありがとうございました。

微調整には1週間以上かかると思います。今週のお楽しみです。


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内径18mmのG♭牛骨木管ケーナです。この材料は、G管分の長さしかありませんので、管尻を切断し、パテで延長しました。その上にテグスを巻けば分からなくなります。

G♭管はG巻よりも20mm程度長くなります。一般的にケーナは内径18mmが普通と言われています。18mmG管は低音中音はいいのですが、2オクターブのミあたりから上を繊細な音で吹くのは上級者以外はなかなか難しいのです。しかも、この音域で繊細さを求める曲がたくさんあります。

音波長により、振動しやすい内径は違います。短くて太い管で、高い音を出すのには大きなエネルギーが必要なようです。このため、大きな品の無い音になりがちです。その逆で、細い管では、ほんの少しのエネルギーで倍音にシフトしてしまい低音の表現力の幅が少なくなります。

全部の音を同じような傾向でそろえるのは無理なので、どこかで妥協することになります。その妥協点は、G管の場合は18mmでなく17mmくらいなのではないかと思っています。18mmはG♭管ですと、うまく調整できます。3オクターブもらくらくです。G管用17mm木管素材が欲しいですね。


 
10/06/05
                   

予想のように17mmが理想的な管かどうかの確認製作です。
皮を剥くと、きれいな太目の筋のでるきれいな竹です。17mmですと、肉厚の薄い竹が多いようですが、これは厚めです。かなり苦労して、内径を整えましたが中間が18mmと少し太めです。細ければ削れますが、太いのはなんともなりません。

河辺ケーナを手本に穴位置を決めました。内径も、穴位置も同じなのに音程もオクターブ比もまったく違います。これがケーナ作りの面白くて、苦しいところ。河辺ケーナがチューナーの針を固定したように正確なのに、このケーナはバラバラ。

しかも、高音が出しにくい。いいとこなし(´_`。)

そこで、裏穴を調整と、歌口の削り直し、内径の再チェック。だいぶよくなりました。オクターブ比も10セント以内に収まりました。まだ、音の厚みがないことと高音がかすんで出るのが直っていません。

歌口にパテを塗り厚み増し、再度削り直します。すると、音質に関してはすべて解決できました。ところが、音程が半音下がり、オクターブ比がバラバラです。歌口にわずか0.5mm程度のパテをのせただけなのに・・・(´_`。)なぜ?

今日はこれまで、明日から少しずつ調整をしてゆきます。


11/13/05

週末に4本作りました。疲れました
一本作るにも、魂抜かれるくらいの集中力がいります。何本作ると、サッサと作れるようになるんでしょう。疲れた原因は、失敗が多かったからです。

ヘビタマの竹を使ったA♭管。内部形成にだいぶ時間がかかりました。
最初に作ったのは、上から三番目:かなりよい感じだったのですか、ソラの音程を合わせると、音質が大きく変わります。上の穴三つのオクターブ比がチューニングでは合いそうにありません。失敗

次に、上から二番目:ミ♯ファのオクターブ比が大きくなりすぎ。高音がきれいに出ない。全般的に音が悪い。文句なしの失敗。

一番上:ややオクターブ比が離れていますが、これからの調整でなんとかなりそう。ちょっと曲がってますが、高音の美しさでそれは埋め合わせがききます。成功の可能性あり。今週のチューニングが楽しみです。

A♭は、標準の管よりも半音高いだけですが、音質が繊細で、高音が一気に出やすくなるお気に入りの調です。さて、今日のケーナはどう成長してゆくでしょうか。

G管は、たぶん大丈夫。孟宗竹さんのところにお嫁入りできそうです。・

11/24/05
短い管なのに、よく響いてます

孟宗竹さんにお送りするケーナがやっと出来ました。3本作ったA♭管の中で、完璧な失敗だと思っていたものが生き返りました。歌口を綺麗に整えて、指穴の大きさをひとつずつ調整したところ、高音がきれいに出るようになりました。1オクターブが低めのピッチですが、20セント以内には収まります。

管尻は、響きがよくなるように、極薄にし隙間を完全になくしました。コルクのほうがよく鳴りますが、薄い木栓のほうがより芯のある低音になります。歌口は、浅く厚く、高音が雑音なく軽くでるように調整できました。半分だけ皮を剥ぐのは、デザイン的にも面白いと思いますし、かろやかな音になります。孟宗竹さんのところで大切にしてもらうんだよ。手放すのが辛いケーナです。

篠笛のような高音、低音の響きも犠牲にしていないでしょ

孟宗竹さんにお嫁入り2本目 こちらはG管です
細身の竹を使い、高音の美しく、反応のすばやいものを目指しました。細くものは、低音が犠牲になりがちです。そのため、管尻にコルクを使い響きやすくマイルドな低音を意識しています。指穴の内側をギリギリまで削りっています。

音程もオクターブ比も問題なし。竹の繊維がとてもきれいです。


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