ケーナ製作記録
 2.9Mもある大きなファイルです
06/18/05  

北海道は網走から、何百キロも旅をして到着した「カシューさんケーナ」 ひと吹きして素直なよい子だと分かります。音程もA440キッカリです。仕上げや姿だけでなく音質も、河辺ストリームケーナ風ですね。指穴の位置は、カシュー流でしょうか。2オクターブのミソが曲を吹くと若干低くなりますが、太いケーナとはまったく逆の細いケーナの特徴でしかたありません。この管はすばらしくよい出来で、プロの作ったものと同じクオリティーです。

私が触ってよくなるところはありあませんが、ほんの少しだけいじってみました。カシューさんいかがでしょう?調整の結果を、もう少し様子をみて、来週中には返送しますね。試聴は、やさしい高音を求められる、ちょと難しい曲です。このケーナの繊細な感じが伝わればいいのですが。

私はケーナに塗装しない派に属していますが、こんなきれいなケーナを見ると心が動きます。カシュー買いに行こうかな?

06/18/05                           

ちば竹さんからいただいた、工芸品ケーナ。布袋竹というそうです、すごいですね。値段を付けたら10万円!くらいになりそう。私の宝物になりました。

この長さにしては内径が細く、低音がすぐに裏返ってしまいます。ちば竹さんは、床の間用と言われていましたが、このケーナで演奏したくてちょっといじってしまいました。内径を5mmほど大きくしようとしたのですが、下の節の部分がものすごく硬く、私の工具では歯が立ちません。このため、何日もかかってヤスリで少しずつ削りました。内径を広げたので、一番下の穴はパテで小さめにしました。
姿のせいか音もすごく魅力的に聞こえます。

この作業の結果、演奏に使えるくらいの音量は出るようになりました。でも、もう少し広がるといい感じになりそう。演歌を録音しようとしたのですが、温度のせいかちょうどよいピッチに落ち着かず録音延期です。


06/19/05                           

下広がり、新設計ケーナ
上の二つに比べると、とても出来の悪い子。音程に関しては予想通り、上の穴を小さくすることでオクターブの差を小さくすることができました。下広がりのテーパーで低音の音量が上がりました。予想外だったのは、倍音の少ない芯のない音質になること。それから、3オクターブがとても出にくいことです。

06/25/05 

これまた、逆テーパーケーナ。作った日に測定したら、高音部分のオクターブ比がほとんどないよい結果でした。うれしくて、その日のうちに完全にチューニングしました。次の日に計測するともうめちゃくちゃです。特に上のラが上がりすぎて演奏には使えません。

作った日からなにが変わったというんでしょ。ケーナの不思議のひとつです。少しずつ2週間くらいかけないとちゃんとしたチューニングになりません。単純にだんだん音程が上がるというのでもなく、全体のバランスも崩れます。

ひとつ上のケーナは、作った日は全然だめだったのですが、1週間たったらスケールはしっかりとしてきました。ところが、音程が上がりすぎてこれまた演奏には使えません。

逆テーパーのケーナの印象は同じです。芯のない倍音の少ない音。3オクターブ出ない。これは、この竹の問題なのか、逆テーパーのせいなの?もう少し経験が必要です。

今のところの印象としては、逆テーパーのメリットは少ないかも?一番上の穴が小さいのはいい感じです。逆テーパーがなぜだめなのかは、説明ができそうです。直管ですと2倍音3倍音ともに同じように増えますが、テーパーがかかると音が干渉し打ち消してしまう帯域が出てくるのでしょう。このため倍音の少ない音になります。ホーン型スピーカーと同じ原理です。特に3オクターブ目は3倍音のみを増幅する必要がありますが、基音と2倍音だけを消して、3倍音だけきれいに残すには干渉の少ない直管でなければいけないのかもしれません。逆テーパーを作ることで、普通のケーナの特性も少し分かってきた気がします。


06/26/05 

普通のケーナが作りたくて、真っ直ぐなのを選んで作ってみました。
やっぱり、これがケーナの音。しっかりとした倍音成分があってほっとします。音程はめちゃくちゃですが、今日はいじりすぎず来週また調整します。

今週の学習 「音程の悪いのはなんとかなるが、音質の悪いのは、どうにもならない」


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